じぶんの家庭で暮らせない子どもは、どこで暮らしていますか?


大きく分けると、子ども達が集団で暮らす「施設養護」と個別の家庭で暮らす「家庭養護」に分けられます。   (厚生労働省:令和3年3月末現在)

A2-2

「施設養護」の内訳

施設種別対象となる子どもカ所数子ども数
乳児院乳児(3才未満)145カ所2,472人
児童養護施設原則3才~18才までの養護を必要とする子ども612カ所23,631人
児童心理治療施設家庭環境や交友関係などにより社会生活への適応が出来ない子ども53カ所1,321人
児童自立支援施設不良行為をした子どもや、家庭環境上の理由により生活指導等を要する子ども58カ所1,145人
母子生活支援施設配偶者のない女子及びその者の監護すべき子ども217カ所5,440人
自立援助ホーム義務教育を終了した児童であって、児童養護施設等を退所した子ども217カ所718人
1,302カ所34,727人
A2-3

「家庭養護」の内訳

種別区分世帯・カ所数子ども数
里親養育里親
専門里親
養子縁組里親
親族里親
11,853世帯
715世帯
5,619世帯
610世帯
4,621人
206人
384人
808人
ファミリーホーム養育者の住居において家庭養護を行う427カ所1,688人
7,707人
令和3年3月末現在

社会的養護を受ける子ども達のうち8割位の子どもは「施設」で暮らしています!

「家庭養護」「施設養護」では

子ども達の暮らしが次のように違います。

養育者の違い

「家庭」では親代わりの大人が常に側におり暮らしを共にするが、「施設」では勤務時間で交代する先生が養育者となります。

日常生活(食事や行動など)の違い

「家庭」では個人の嗜好や都合により変化しますが、「施設」では規則・日課・計画表などで決められています。

子どもに必要な多様な交流・経験

「家庭」では家族の親戚友人、ご近所さん、商店、冠婚葬祭、家族旅行など多様な日常の交流がありますが、「施設」では先生や子ども同士など限られた範囲となります。

子どもに必要な多様な交流・経験

「家庭」では家族の親戚友人、ご近所さん、商店、冠婚葬祭、家族旅行など多様な日常の交流がありますが、「施設」では先生や子ども同士など限られた範囲となります。

これらを図にすると(日常生活の違い)

それでは国で定めた「家庭養護」とはどのような要件があるのでしょうか?(五つの要件)

①養育をする人の家庭に子どもを受入れること

同一で特定の養育者が継続して育てることにより、自尊心を培い人間としての土台が形成されます。

②その養育者との生活基盤を共有すること

共に生活を継続するという安心感を得ることにより、愛着が生まれる日常生活を積重ね、人間関係形成の土台を培う

③家族として生活の様々な時をともに過ごすこと

家族としての生活の共有意識や子ども同士の情緒的な関係が育まれ、様々な思い出が生きる力となるとともに、生活技術を学ぶ。

④生活が日課や規則などにより一律に制限されないこと

柔軟で相互コミュニケーションに富む生活は子どもに安心感をもたらすとともに、将来の家族モデルや生活モデルを持つことができる。

⑤地域社会に存在すること(子どもが養育者家庭を通じ、地域社会の一員となる

生活のあり方を地域の中で学び、精神的な安定を得る

施設の小規模化・「家庭養護」への移行について

児童養護施設等については、大舎制から中・小舎へ移行しつつあり、家庭的養護の地域小規模児童養護施設や分園型小規模グループケアにも少しずつ移行してきています

国連のガイドラインに基づく日本への提言