シンプルな問いかけですが、このページに来てくださったみなさんは、どう考えるでしょう。
サザエさんや、ちびまる子ちゃんのような家庭を思い浮かべる方がいるかもしれません。自分の育った家庭や家族を思い浮かべる方は多いことでしょう。あなたにとって、家族はどんな存在ですか?自分のことを守ってくれる人?助けてくれる人?理解してくれる人?様々な家族の形があることでしょう。
■機能不全家族
家族ってどういうふうに存在するのでしょう。思春期を過ぎて、やがて人は大人になっていきます。肉体的にも精神的にも自立した大人へと成長し、結婚して新たに家庭を築きます。やがて子どもが誕生します。しかし、肉体的には大人でも精神的には自立できないまま大人になる人もいます。精神的に自立ができていないまま結婚をすると、相手に依存した生活になります。
家族の役割には、子育てや教育、経済活動や旅行や趣味などの娯楽、扶養や介護などがあります。機能不全家族では、このような役割を果たすことができません。
■アタッチメント(愛着)
アタッチメントとは「ある特定の対象と形成される愛情のきずな」と定義されます。
ある特定の対象というのは基本的には「母親」です。何らかの事情で母親が育てることができない場合もありますが、その場合は「母親」に代わる特定の対象の人になります。
イギリスのジョン・ボウルビィは第二次世界大戦中に親を亡くした戦争孤児が収容された乳児院・孤児院にて、発達の度合いに応じて心も成長していくが、愛着の問題を抱えている子どもは発達の度合いが遅いことに気づきました。特定の対象からの愛情を通じた人との絆・つながり感・安心感がもっとも重要であるのです。
0歳、1歳、2歳の幼いときに、特定の対象からの愛情を受けないで育つと、自己肯定感を持ちにくく、豊かな心を育むことができません。
幼い心が不安なときに、触れる、目を見る、話しかえる、存在を肯定されるといった安心感を得る経験がその後の自己肯定感や心を育むことにつながるのです。
何らかの原因により、愛着障害があると、自己否定感を抱えやすく、自信を持てず、人生につまずきやすくなります。精神的に自立することができず、家族を持ったときにも機能不全家族になってしまう可能性もあります。
しかし、愛着が安定することにより、人生全般が安定していき、仕事、恋愛、友人などの人間関係なども安定し、能力も発揮しやすくなります。